オープンソースで開発されたOBS Studioは、録画や録音、配信をするうえで非常に役立つツールです。
一方で、使い方や設定がさまざまであるがゆえに、「どうやって録画すればいいんだろう」、「録画をするうえで、自分の目的に合った設定を知りたい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、そうした疑問を抱く方に向けて、録画の方法を詳しく解説していきます。
OBS Studioで画面を録画する方法
それでは、OBS Studioで画面を録画する方法を一つずつ説明していきます。
画面の切り替えを可能にする
画面の切り替えを可能にするためにシーンを追加します。
左下にあるシーンから[+]ボタンを押して、シーン名を決めて[OK]を押したら追加完了です。
シーンを追加することでカメラアングルを変更して、違う画面を写したいときに不便なく画面切り替えを行うことが可能になります。
また、画面切り替えをさらに円滑にするために、自分がわかりやすいシーン名で追加することをおすすめします。
OBS Studioに録画したい画面を投影する
次に、追加済みのシーンにソースを追加します。
ソースの[+]ボタンを押すと、さまざまな項目が出てくるため、写したい画面に合わせて選択します。
それぞれの項目について説明していきます。
ゲームキャプチャを使用する場合
ゲームキャプチャは、SteamなどのPCゲーム画面をOBS Studio上に投影することができます。
しかし、Swichなどのゲーム機器の画面を投影する場合には映像キャプチャデバイスを使用する必要があります。
そのため、PCのゲーム画面を録画したいという方は、ゲームキャプチャを選択しましょう。
ウィンドウキャプチャを使用する場合
ウィンドウキャプチャはブラウザを投影することができます。
ブラウザやエディタのみを録画したい方におすすめです。
映像キャプチャデバイスを使用する場合
映像キャプチャデバイスは、PS4やSwitchなどのゲーム機器の画面をOBS Stuido上に投影することができます。
しかしゲーム機器の画面を映像キャプチャデバイスを使って投影する場合には、追加でキャプチャデバイスを導入しなければなりません。
画面キャプチャを投影する場合
画面キャプチャはPCの画面全体を投影することができます。
アプリ間を移動しながらプレゼンをしたい方や、デスクトップ全体を視聴者にみせたい方は画面キャプチャを使用しましょう。
音声設定をする
画面をOBS Studio上に投影することができたら、音声設定をします。
OBS Studioの操作にまだ慣れていない方は、音声トラブルが頻繁に起こるため、正しく設定していきましょう。
デスクトップの音声を入れたい場合
デスクトップの音声を入れるためには、「設定」→「音声」を押して「デスクトップ音声」を「既定」に設定します。
BGMを流してみて、音声ミキサーが作動していれば正常に設定できています。
初期設定のままだと大音量で録音されることがあるため、音が大きい場合にはデスクトップ音声のバーを小さくしましょう。
マイクの音声を入れたい場合
マイク音声を入れる設定もデスクトップと同じように「設定」→「音声」を押して「マイク音声」から自分が使っているマイクを選択します。
この場合もマイクに発声してみて音声ミキサーが作動していれば完了です。
特定の音声だけを入れたい場合
バージョン28.0以降のOBS Studioでは、特定の音のみを配信に乗せることができるようになりました。
例えば、ライブ配信でゲームをしながら、Discordの通話相手の音声だけは乗せないといったことが可能です。
まずは先ほどのように「デスクトップ音声」の設定を押し、「無効」にします。
もしくは、初期設定の「既定」のままにしておいて、音声ミキサーの「デスクトップ音声」をミュートモードにしましょう。
ソースの[+]を押して「アプリケーション音声キャプチャ」を選択します。
「アプリケーション音声キャプチャ」から自分が入れたい音声だけを選択して、準備完了です。
最後に、自分が流したい音声だけが作動しているかを確認しましょう。
録画を開始する
設定が完了したら、あとは「録画開始」をクリックするだけです。
クリックするとすぐに録画が開始されます。
配信を始める前に必ず数十秒間テストして画面や音声の設定を調整していきましょう。録画した動画の保存先を指定する
録画した動画の保存先を指定していきます。
「設定」ボタンを選択して「出力」を選択します。
「録画」にある「録画ファイルのパス」の右にある「参照」ボタンをクリックすることで動画の保存先を指定することができます。
ちなみに、初期設定の状態だと「C:\Users\(PCのユーザー名)\Videos」というフォルダに保存されています。
OBS Studioで録画できないときの対処法
OBS Studioで録画する際には、以下のようなトラブルが起こり、録画できないことがあります。
- OBS Studioで録画した画面が真っ暗な場合
- 音声が入らない場合
- OBS Studioの録画カクつく場合
- 録画した動画を再生できない場合
ここでは、それぞれの対処法を説明していきます。
OBS Studioで録画した画面が真っ暗な場合
OBS Studio上の録画した画面が真っ暗な場合の対処法について原因と対処法を説明します。
原因 | 対処法 |
---|---|
OBS Studio上の不具合 |
|
PCの設定の問題 |
|
まずOBS Studio上の設定で、OBSを適切なバージョンに変える必要があります。
さらに、キャプチャモードが違うことで画面が映らない可能性もあるため、ゲームモードから映像キャプチャデバイスモードに変えてみましょう。
また、パソコンを再起動すると、画面が表示されることもあります。
音声が入らない場合
OBS Studioで音声が入らない場合の対処法について原因と対処法を説明します。
原因 | 対処法 |
---|---|
OBS Studioの設定ミス |
|
外部機器 |
|
音が入らない原因として、まずOBS Studio上の設定ミスが考えられます。
正しい入力デバイスか、音声ミキサーがミュートになっていないかを確認しましょう。
また外部機器を使用している場合、ケーブルが接続されているか、必要なドライバーがインストールされているかを確認してみるのも重要です。
OBS Studioの録画がカクつく場合
OBS Studioで録画カクつく場合の対処法について原因と対処法を説明します。
原因 | 対処法 |
---|---|
PCのスペックが不足している |
|
OBS Studioの設定 |
|
パソコンのスペックが不足している場合には、PCが重くなり、OBS Studio上の画面が重くなってしまう可能性があります。
CPUの使用率を下げるために、不要なページを閉じ、ゲーム側のグラフィック設定を下げましょう。
また、OBS上の設定で、出力解像度やフレームレートを下げることでもカクつきを軽減させることができます。
録画した動画を再生できない場合
OBS Studioで録画した動画を再生できない場合には、ファイル保存形式を変更しましょう。
例えば、ファイルの保存形式が「mkv」の場合、MacのQuicktimeでは対応されていないためそのままでは再生できません。
対処方法としては、mkvからmp4に変換する再多重化です。
[ファイル]→[録画の再多重化]の順に選択します。
次に[…]をクリックし、変換したいファイルを選択して、[再多重化]ボタンをクリックすれば完了です。
OBS Studioで録画する際の注意点
OBS Studioで録画する際に注意することとして録画した動画が紛失してしまうということがあります。
録画した動画が紛失するのには以下のような原因があります。
- ストレージ容量の問題
- 設定の誤り
- ソフトウェアの競合
PCの容量不足などの問題が発生している場合や設定が間違っている場合、また他のソフトウェアやウイルス対策プログラムが録画プロセスに干渉した場合には、録画したファイルが消えてしまうこともあります。
そのためストレージに問題がないか、正常に設定できているかをチェックしてから録画を開始するようにしましょう。
OBS Studioのおすすめの録画設定
ここでは、おすすめの録画設定について説明していきます。
以下は「設定」ボタンを押すことで、左側に表示されるものです。
- 音声設定
- 録画設定
- 画質設定
それぞれのおすすめの設定方法を説明していきます。
おすすめの音声設定
おすすめの音声設定と設定方法について説明します。
各種設定 | おすすめの設定方法 |
---|---|
マイク |
|
音声ビットレート | 192kbpsで設定する |
音声設定をするにあたって重要なのが、マイクと音声ビットレートの設定です。
実況配信をする際には、マイクの品質は非常に重要です。
そのため、ノイズ抑制や、エコーキャンセルなどのフィルタ機能を積極的に利用していきましょう。
音声ビットレートには128~320kbpsあり、高すぎるとデータを大量に使用してしまうため、配信を安定させ、視聴者が再生しやすい環境をつくるなら、192kbpsがおすすめです。
おすすめの録画設定
おすすめの録画設定と設定方法について説明します。
各種設定 | おすすめの設定 |
---|---|
レート制御 | 録画する場合:CRF 配信する場合:CBR |
録画フォーマット | MP4またはMKVを使用する |
レート制御はCBR、VBR、CRFの3つのモードがあります。
録画品質とファイルサイズを考慮して、レート制御の設定をしましょう。
また、録画MP4は互換性が高い一方で、ファイル破損のリスクもあり、逆にMKVは互換性は低いけれど、ファイル破損のリスクは低いです。
そのため、目的に合わせて適切なフォーマットを選択することが重要です。
おすすめの画質設定
おすすめの画質設定と設定方法について説明します。
各種設定 | おすすめ設定 |
---|---|
出力解像度設定 | 通常:480p 高品質:720p~1080p |
フレームレート | 通常:30fps 高品質:60fps |
OBS Studioで最適な画質で録画するには、出力解像度と、フレームレートの設定を最適化しましょう。
それぞれの数値が高ければ高いほど、高画質になりますが、自身のPCのスペックなども考慮して適切な設定をすることが重要です。
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出典元:https://doneru.jp/
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OBS Studioの録画についてよくある質問
OBS Studioの録画についてよくある質問に答えていきます。
OBS Studioを無料で使うことはできますか?
OBS Studioは完全無料で使うことができます。
その理由が、OBSが世界中のボランディアによって開発されたツールであるためです。
OBS Studioの録画時間は制限されていますか?
OBS Studioを使うことで無制限で録画をすることができます。
「出力タイマー」を使って録画停止時間を指定することも可能です。
OBS Studioに欠点はありますか?
OBS Studioの欠点として、スクリーンショット機能が搭載されていないことが挙げられます。
また、画面をフルスクリーンで表示することができないため、録画が正常に進んでいるか判断しづらいという欠点もあります。
ライブ配信をするのに必要なPCのスペックは?
映像をスムーズに処理するために、CPUが Intel Core i7,AMD Ryzen7以上でメモリが16GB以上のPCがおすすめです。
縦画面での配信はできますか?
縦画面での配信も可能です。
ソースから「変換」を開き、90度、180回転で縦画面を投影することができるようになります。
OBS Studioで録画する手順まとめ
この記事では、録画開始までの手順やおすすめの録画設定、録画できないときの対処法について紹介しました。
OBS Studioでは録画を開始する前に、画面の切り替えができるようにして、どの画面を投影したいかによって選択するべきソースの項目が異なるなど、設定が少し複雑です。
以上を踏まえたうえで、OBS Studioを使って録画や配信をするという方は、自分の目的に合った録画方法を模索してみましょう。